子宮頸がん予防について知っておきたいこと

子宮頸がんは、子宮の入口(子宮頸部)に発生するがんで、20~40代の女性に多くみられます。仕事や結婚、出産など、人生のさまざまなライフイベントと重なる年代で発症しやすく、治療によって妊娠や出産への影響が生じることもあります。
日本では毎年約1万人の女性が新たに子宮頸がんと診断され、約2,900人が命を落としています。早期発見・早期治療により、子宮を温存できる可能性もあるため、予防と定期検診がとても重要です。

HPV感染と子宮頸がんの関係

子宮頸がんの主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスへの感染です。
HPVは非常に一般的なウイルスで、性経験のある女性の約8割が一度は感染すると報告されています。ほとんどの場合は自然に排除されますが、長期間感染が持続すると、細胞の異常を引き起こし、がんへ進行することがあります。
特にHPV16型や18型といった「ハイリスク型」が原因となるケースが多く、全体の約65%を占めています。

初期症状が出にくいため、定期的な検診が大切

子宮頸がんは初期には自覚症状がほとんどありません。気づいたときには進行していることも少なくないため、定期的な検診が欠かせません。
前がん病変の段階で発見できれば、子宮を残した治療(円錐切除術など)が可能です。実際、毎年約1万3千人の女性が円錐切除術によって早期の病変を治療しています。

子宮頸がんは「予防できるがん」です

子宮頸がんには、ワクチン接種と定期検診という2つの有効な予防法があります。

HPVワクチン(一次予防)

HPV感染そのものを防ぎ、将来の発症リスクを大きく減らします。

子宮頸がん検診(二次予防)

がん化する前の異常を早期に発見し、適切な治療につなげます。

ワクチンと検診を組み合わせることで、より高い予防効果が期待できます。

HPVワクチンの接種対象と注意点

HPVワクチンは、小学校6年生から高校1年生相当の女子が定期接種の対象で、公費(自己負担なし)で受けることができます。
また、1997年度~2008年度生まれの女性については、2025年3月末までの期間限定で「キャッチアップ接種」の対象となっています。

接種後には、注射部位の腫れや発熱などの一時的な反応がみられることがありますが、通常は数日で治まります。長く続く場合や不安があるときは、接種医またはかかりつけ医へご相談ください。

日本の検診率はまだ低い水準

日本における子宮頸がん検診の受診率は、欧米諸国と比較して低い水準にとどまっています。
自治体や勤務先などで実施されている検診では、多くの場合、公費による補助があり、自己負担はごくわずかです。
20歳を過ぎたら2年に1回を目安に検診を受け、早期発見・早期治療につなげましょう。

大田区、目黒区、東急目黒線沿い(田園調布、奥沢、大岡山、洗足、西小山、武蔵小山など)、東急大井町線沿い(自由が丘、緑が丘、大岡山、旗の台など)で子宮頸がんの予防接種をご希望方はぜひ一度、大岡山こどもアレルギークリニックへご相談ください。