水いぼ(伝染性軟属腫)とは

水いぼ(伝染性軟属腫)は、「伝染性軟属腫ウイルス(ポックスウイルスの一種)」によって皮膚に小さなできものができる感染症です。主に2〜10歳の子どもに多く見られますが、大人にも感染することがあります。感染は直接の肌の接触や、タオル・プールなどを介して起こることがあります。水いぼは、放っておくと自然に治ることもありますが、増えたり広がったりする場合もあります。また、かゆみや炎症を伴うこともあり、掻いてしまうと他の部位にうつることがあります。学校や保育園での流行を防ぐためにも、早めの受診と適切なケアが大切です。

水いぼの症状

水いぼは、直径1〜5mmほどの白っぽくてツルツルした小さな丸いできものが特徴です。表面が光沢を帯びており、中心が少しくぼんでいることが多く、押すと白い内容物(ウイルスを含む角質)が出てくることもあります。かゆみや痛みはあまりありませんが、炎症を起こすと赤くなったり、かゆみが出たりすることがあります。また、アトピー性皮膚炎などで皮膚のバリアが弱いお子さんでは、水いぼが広がりやすい傾向があります。数は少ない場合もあれば、数十個以上になることもあり、腕やお腹、ひざの裏など摩擦が多い場所に多く見られます。

水いぼの原因

水いぼの原因は、「伝染性軟属腫ウイルス」への感染です。ウイルスは皮膚の小さな傷や乾燥部分から侵入し、皮膚の表面で増殖します。感染経路としては、肌と肌の直接的な接触のほか、タオルや衣類の共用、プールや体育マットなどを介した間接的な感染もあります。特に、皮膚のバリア機能が弱っている子どもや、アトピー性皮膚炎のあるお子さんでは感染しやすく、一度できると増えやすくなる傾向があります。免疫ができると自然に治りますが、完治までに数か月〜1年程度かかることもあります。

水いぼの治療

水いぼの治療には、自然治癒を待つ方法と、医療機関で除去する方法があります。自然に治ることも多いですが、数が増えたりかゆみで掻き壊したりする場合には、治療を行うことがあります。従来は、ピンセットで一つずつ取り除く「摘除法」が一般的でしたが、痛みを伴うため小さなお子さんには負担が大きいことがあります。最近ではmBFクリームなどの外用薬を使った痛みの少ない治療も取り入れられています。そのほかに免疫を高めるスキンケアや、かゆみを抑える薬の併用も行います。お子さんの状態や性格に合わせた治療法を選ぶことが大切です。

mBFクリームとは

mBFクリームは、水いぼ治療のために開発された医療機関専用の外用クリームです。肌の免疫を整え、ウイルスに対する自然治癒力を高める作用があります。ピンセットによる除去のような痛みがなく、自宅で塗るだけで少しずつ水いぼを改善していくことができるのが特徴です。1日1〜2回、患部に塗布することで、皮膚の防御力を高めながら自然な回復を促します。副作用が少なく、小さなお子さんでも使用しやすい治療法として注目されています。水いぼの数や部位によって効果に差があるため、医師の指導のもとで継続的に使用することが重要です。

水いぼの予防と対策

水いぼを予防するには、肌を清潔に保ち、乾燥を防ぐことが大切です。お風呂の後は保湿をしっかり行い、皮膚のバリア機能を保ちましょう。また、タオルや衣類の共用は避け、プール後はシャワーで洗い流すようにします。水いぼを掻くと広がる原因になるため、かゆみが強い場合は医師に相談し、適切な薬でコントロールしましょう。兄弟や友だちへの感染を防ぐためにも、発疹がある部分は衣服で覆うなどの工夫が必要です。免疫がつけば自然に治る病気ですが、放置すると広がることもありますので、早めの受診がおすすめです。

大田区、目黒区、東急目黒線沿い(田園調布、奥沢、大岡山、洗足、西小山、武蔵小山など)、東急大井町線沿い(自由が丘、緑が丘、大岡山、旗の台など)で水いぼに関する診療をご希望方はぜひ一度、大岡山こどもアレルギークリニックへご相談ください。