子どものうんちが気になるとき

子どものうんちは、健康状態を知るための大切なサインです。まだ自分で体調をうまく伝えられない赤ちゃんや小さな子どもにとって、うんちの状態は「今の体の声」を教えてくれる重要な手がかりになります。日によって色や形、回数が違うことは珍しくありませんが、その変化の中に体調不良の兆しが隠れていることもあります。普段からお子さまの排便の様子を観察しておくと、異常に早く気づくことができます

うんちが気になるときはここをチェック

うんちの色を確認する

うんちの色は、子どもの体調を知る大切なサインです。黄色〜黄褐色は健康的な状態で、多くの子どもに見られます。緑色は、胃腸の動きが速いときや、風邪の初期などでも起きるため、必ずしも心配はいりません。ただし、白っぽいうんち(灰白色)は肝臓や胆道の病気が隠れていることがあり、見逃してはいけないサインです。また、真っ赤な血が混ざる場合は、肛門の切れやアレルギー、腸炎など原因が幅広ため早めの受診がおすすめです。うんちの色は毎回変わることもあるため、数日間の変化を観察することが大切です。

うんちの硬さや形をチェック

硬いコロコロうんちは便秘の目安となり、特に水分不足や食物繊維の不足が原因で起こります。一方、どろどろとした粘り気のある便や、水のようにさらさらとした下痢便は、胃腸炎やアレルギーが理由のことがあります。形がいつもと違う、においが強いなども観察ポイントです。また、硬い便が続くと肛門が切れて痛みが出たり、うんちを我慢する悪循環が起きることがあります。逆にゆるい便が続く場合は脱水のリスクがあり、特に乳幼児は注意が必要です。頻度や量も合わせて観察し、変化が長引く場合は医師に相談しましょう。

うんちの回数・頻度を確認

子どものうんちの回数は年齢や食事内容によって大きく異なります。赤ちゃんは1日に数回出ることも珍しくありませんが、離乳食が始まると徐々に回数が減り、幼児期には1日1回〜数日に1回が一般的です。大切なのは回数そのものではなく、「いつもと比べてどうか」という点です。急に回数が増えたり、逆に数日出ない状態が続く場合は、便秘や胃腸炎のサインの可能性があります。また、急な変化が続くときは生活環境や食事内容の変化、感染症などが背景にあることもあります。普段のリズムを把握しておくと安心です。

においの強さや変化を確認

うんちのにおいは、食事の内容や腸内環境の影響を強く受けます。通常より強いにおいがする場合は、胃腸の動きが乱れていたり、腸内細菌のバランスが崩れていることがあります。特に腐敗臭のような強烈なにおいを伴う場合は、感染症の可能性も考えられます。一方、母乳育児の赤ちゃんのうんちは甘いにおいが特徴的で、異常があっても気づきにくいことがあります。においが急に変わったときや、明らかに強く感じるときは、食事内容の変化や体調不良のサインとして観察しておきましょう。

血や粘液が混ざっていないか

うんちに血が混ざる場合、肛門周囲が切れている「裂肛」が最も一般的ですが、アレルギー性腸炎やウイルス・細菌感染による腸炎が原因のこともあります。また、ゼリー状の粘液が多く見られる場合は、腸に炎症があるサインかもしれません。特に血と粘液が同時に出る場合は注意が必要です。症状が続く、腹痛が強い、元気がないなど他の症状が伴う時は早めに医師の診察を受けてください。写真を撮っておくと受診時に役立ちます。

うんちが気になるときの家庭内でのケア方法

水分補給をこまめに行う

下痢やゆるいうんちが続くと、体から水分や塩分が失われやすくなります。特に乳幼児は脱水症状が進みやすいため、こまめな水分補給がとても重要です。水や麦茶のほか、脱水が心配なときは経口補水液が適しています。少量ずつでもこまめに飲ませることで、胃腸に負担がかからず、吸収もスムーズになります。また、万が一嘔吐がある場合も、5〜10分おきに少量ずつ与える方法が効果的です。

食事内容を調整する

うんちの状態が安定しないときは、胃腸にやさしい食事に切り替えることが大切です。お粥、うどん、バナナ、りんご、にんじんスープなどがよく、脂っこいものや刺激のある食べ物は控えましょう。乳児の場合は、無理に食事量を増やさず、いつものミルクや母乳で様子を見るのが安心です。下痢が続くときは乳糖不耐症が一時的に起きることもあるため、症状が長引く場合は医師に相談してください。

生活リズムを整える

腸の調子は生活リズムに左右されやすく、寝不足やストレスが続くとお腹の不調が出やすくなります。十分な睡眠、規則正しい食事、適度な運動が腸内環境を整える基本です。特に便秘が続く子どもは、毎日同じ時間にトイレへ座る習慣をつけると排便リズムが整いやすくなります。無理に出させようとせず、リラックスできる環境で習慣づくりを行いましょう。

お腹を温めてリラックスさせる

お腹が冷えると腸の動きが悪くなり、便秘につながることがあります。特に冬場や冷房の強い環境では、お腹や腰が冷えないように注意が必要です。カイロを直接肌に触れないようにして軽く温めたり、お風呂で体を温めて血流を良くすることで、お腹の張りが和らぎ、排便がスムーズになることがあります。

うんちの記録をつける

うんちの状態は日によって変わるため、色や形、回数、においなどを記録しておくと、受診の際に大変役立ちます。写真を撮っておくのもよい方法です。特に、便秘や下痢を繰り返す子どもでは、日々の変化を見逃さないことが重要です。普段の状態を知っておくことで、異常にも気づきやすくなります。

うんちが気になるときの受診タイミング

うんちに血が混ざる・黒いうんちが出る

明らかな血便はもちろん、タールのように黒いうんちは消化管からの出血が隠れている可能性があります。特に赤ちゃんや幼児の場合、原因の見極めが難しいため早めの受診が必要です。症状の写真を撮っておくと診察に役立ちます。

下痢や軟便が長引くとき

下痢が3日以上続く、回数が多い、水のような便が出る、嘔吐を伴うなどの場合は、胃腸炎やアレルギーが疑われます。脱水の危険があるため、ぐったりしている、尿量が少ない、泣いても涙が出ないなどの症状があるときは特に注意が必要です。

便秘が続く・排便を痛がるとき

3日以上排便がない、うんちが硬くて出にくい、排便時に強い痛みがある場合は便秘症の可能性があります。肛門が切れて出血する前に、早めに受診しましょう。継続的に便秘が続く場合は、生活習慣や腸の動きを改善する治療が必要なことがあります。

発熱や腹痛を伴う場合

下痢や便秘に加えて強い腹痛、発熱、嘔吐があるときは、感染症や腸の病気が隠れていることがあります。特に右下腹部の痛みや、長時間続く腹痛は注意が必要です。子どもは痛みの場所をうまく伝えられないため、表情や姿勢の変化に注意しましょう。

元気がない・水分がとれないとき

明らかに元気がない、ぐったりしている、眠ってばかりいる、水分がとれないなどの症状がある場合は、早急に受診が必要です。脱水や全身状態の悪化が進む前に、医師の診察を受けることが大切です。

大田区、目黒区、東急目黒線沿い(田園調布、奥沢、大岡山、洗足、西小山、武蔵小山など)、東急大井町線沿い(自由が丘、緑が丘、大岡山、旗の台など)で、子どものうんちが気になるとき、大岡山こどもアレルギークリニックへご相談ください。