pediatrics 小児科

小児科とは

小児科

小児科は、赤ちゃん(新生児・乳幼児)から、15歳くらいのお子さんまでの「かかりつけ医」として、お子さんに関し、少しでも心配なことがありましたら、お気軽にご相談していただける診療科です。心身の病気の他にも、健康診断や予防接種、健康相談も行っています。

たとえば以下のような症状がみられましたら、ご相談ください。

  • 発熱
  • せき
  • 鼻水・鼻づまり
  • 嘔吐
  • 下痢
  • のどが痛い
  • おなかが痛い

お子さんの「発熱」

子供はもともと皮膚が薄く、大人より熱が高いものです。また汗腺も未発達のため、熱が上がりやすくなっています。ですので、暑い所に行ったり、ちょっと興奮したりするだけで熱は上がります。

38度以上の高熱がでる原因は、多くは細菌やウイルスへの感染によるものです。体に侵入した病原体に対し、体温を上げることで、病原体の繁殖を抑制し、体を守る白血球の働きを促進し、免疫機能を高めます。ですので、発熱自体は悪いことではありません。解熱剤で無理に熱を下げる必要もありません。

お子さんが発熱したときは

発熱は、ふつう3日間ほどで収まります。その間は、なるべくお子さんがリラックスでき、体の負担を軽くしてあげるようにすることが大切です。

  • 体温の上りはじめでは、手足は冷たいということがあります。寒がる場合もありますので、1枚ふとんを多く掛けたり、靴下を履かせてあげたりすると良いでしょう。
  • その後、体に加えて手足も熱くなってきた場合は、熱がこもらないよう、薄着にして、水枕や冷却シートなどで頭を冷やしてあげてもよいでしょう。ただし肩や体が冷えないようにします。また必ずしも冷やす必要はありません。
  • 汗をかき始めたら、今度は体が熱を下げようとしているサインです。下着や服を着替えさせ、シーツを取り替えるなどして、汗が発散しやすく快適になるようにしてあげましょう。
  • 発熱している間は、こまめに適度な水分(いつもの半分くらいでもかまいません)をとるようにし、食欲がないことも多いため、糖分と塩分もとれるようにしましょう。スポーツドリンクやジュースなどが役立ちます。(ただし嘔吐などの症状がある場合は、注意か必要です)
  • 発熱していても、短時間であれはシャワーやお風呂はOKです。皮膚を清潔に保っておくことも大切です。とくに赤ちゃんは清潔にしていないと、おむつかぶれを起こす可能性がありますので、座浴でおしりを洗ってあげるのもよいでしょう。

以下のような場合は、早めにご受診ください

  • 38度以上の発熱で、3~4か月児のお子さん(この時期はまだ免疫力が弱く、病気の進行が速いため)
  • 鼻水、発疹、下痢などの症状がある
  • 咳をしたり、呼吸をしづらそうだったり、息苦しそうな症状がある
  • 嘔吐を繰り返したり、ぐったりしていたり、元気がない、顔色が悪い
  • 発熱が3日以上続いている

お子さんの「咳(せき)」

空気が鼻から入って、肺に達するまでの道を気道といいますが、この気道内の異物や炎症による分泌物を排除するための体の防御反応の一つが「咳(せき)」です。お子さんは大人に比べて気道が狭いため、わずかな炎症や異物に対しても、敏感に反応して「咳(せき)」をし、気道が詰まってしまわないようしていると考えられます。

咳の症状にはいくつかの種類があり、その原因も様々です。お子さんが咳をされると心配になり、つい市販のせき止め薬を使用してしまうこともあるかもしれませんが、咳はもともと細菌やウイルスを排出しようとする反応ですし、原因によっては悪化してしまう可能性もあります。また咳の原因となる病気の早期発見ができず、正しい治療が遅れ、治癒も遅くなってしまうことがありますので、特に強い咳止め薬の使用はおすすめできません。気になる咳の症状がみられましたら、お早めにご受診ください。診察の上、お薬などの治療法について丁寧にご説明いたします。

以下のような咳をしている場合、あるいは呼吸に関する症状がある場合は、早めに受診し、治療することをお勧めします

  • コホコホ、コンコンと乾いた咳をする
  • ゲホゲホ、ゴホンゴホンとなるような、痰が絡んだ湿った咳をする
  • ケンケンと聞こえる、犬やオットセイの鳴き声のような咳をする
  • 顔を真っ赤にして咳をする
  • ゼイゼイ、ヒューヒューと呼吸している(喘鳴)
  • 呼吸に合わせて鎖骨の上や肋骨の下がくぼむ (陥没呼吸)
  • 呼吸のたびに肩が上下する (肩呼吸)
  • 呼吸のたびに小鼻が膨らむ・しぼむ、小鼻がピクピク動く (鼻翼呼吸)
  • 咳き込んで眠れていない
  • 顔色が悪い
  • 1週間以上、咳をしている

以上のような「せき」には様々な原因が考えられます。たとえば異物を飲み込んでしまった場合でも咳が出ますので、注意が必要です。

どちらかというと乾いた咳の場合は、風邪や百日咳、心因性によるものなどが考えられます。また声帯の下が腫れて空気が通りにくくなる急性喉頭気管支炎(クループ症候群)では、呼吸困難を引き起こす場合もあります。

湿った咳の場合は、のどの奥にある気管支に溜まった痰が原因と考えられます。お子さんは痰を作りやすく、また排出がまだうまくできませんので、痰が溜まって気道を狭くしてしまいます。湿った咳は気管支や肺に炎症を起こす病気の可能性があります。またアレルギー性鼻炎などで鼻汁がのどに流れ込み、湿った咳となる場合もあります。

ゼイゼイ、ヒューヒューという喘鳴は、気管支が狭くなっていることから起こります。気管支喘息や、乳幼児期の場合はRSウイルス等による細気管支炎の可能性があります。また異物を飲み込み気道に至っている場合もありますので、速やかに医療機関をご受診ください。

お子さんの「鼻水・鼻づまり」

赤ちゃんの場合、鼻水や鼻づまりがあると、おっぱいを飲みづらくなります。また、鼻水を溜めたままにしておくと、急性中耳炎や副鼻腔炎を引き起こす可能性があります。

ふだんから、鼻をかめるお子さんの場合は、鼻をかむ習慣をつけるようにしましょう。まだ鼻をかめない赤ちゃんの場合は、綿棒でつまりを取ったり、市販の鼻水吸い取り器などを使って、取り除くように。垂れてきた鼻水は、ぬれタオルで優しく拭き取っておきましょう。

黄色い鼻水が出ている場合は、少し注意が必要です。風邪をひいたときなどによくみられるもので、鼻水の中には細菌などが多く含まれています。これが原因で急性中耳炎になる場合もあります。またさらさらとした水のような鼻水の場合は、アレルギー性鼻炎の場合があります。

鼻づまりが長く続くと、睡眠の質も下がり、様々な影響が出ることもあります。それぞれの症状にあわせたお薬による治療を行っていきますので、まずはご受診し、ご相談ください。

お子さんの「嘔吐」

お子さんが嘔吐されると心配になるかもしれません。原因は様々ですが、あまり心配する必要のない嘔吐も多くあります。しかしやはり、何かの病気のサインであったり、正しい対処が必要な場合もありますので、気になる場合はお気軽にご受診ください。

特に下記のような症状の場合は、早期にご受診ください。

  • 意識がもうろうとしている、ぐったりしている
  • 血のようなものを吐いた。あるいは緑色っぽい液体を吐いた。
  • 便に血が混じっている
  • 何度も嘔吐をくり返す、半日以上、嘔吐が止まらない
  • 強い腹痛がある、あるいは張っている
  • 半日以上尿が出ていない、汗をかかない
  • 水分補給ができず、唇や口の中が渇くなど、脱水症状の傾向が見られる
  • 頭を強く打った、激しい頭痛がある ほか

食べ過ぎなどが原因で、嘔吐をしていても、上記のような症状がなく、機嫌は悪くない、水分をとれている、尿も出ている、ということであれば、自宅でしばらく様子を見ても良いでしょう。その際、スプーンなどで少量ずつ水分を与え(経口補水液あるいはスポーツドリンクが有効です)、嘔吐が収まったら消化のよいものを少しずつ上げるようにしましょう。落ち着いてからのご受診でも構いません。ただし症状が収まらない、状態が急変した、という場合は、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。

お子さんの嘔吐の原因の多くはウイルスや細菌の感染症によるものです。これらが体から排出されるまで症状は続きますので、水分補給や栄養補給で、体がウイルスや細菌と戦うことをサポートすることが大切です。市販の吐き気止めを服用すると、体内から原因のウイルスを排出することを妨げることもありますので、医師にご相談ください。

お子さんが嘔吐で苦しんでいるときは、なるべく体を締め付ける衣服は避けて、お子さんがリラックスできる体勢で寝られるようにしてあげることが大切です。また、嘔吐の際、吐いたものが気管に入っていかないよう、顔を横向きにして寝かしてあげましょう。

お子さんの「下痢」

お子さんの下痢の多くは、胃腸がウイルスや細菌などに感染したとき(風邪や肺炎、気管支炎、食中毒など)に、身体がそれらを排出しようとして起こるものです。他にも冷たいものや消化の悪いもののとりすぎや、ストレス、疲れなども原因になる場合があります。離乳食前の赤ちゃんの便はほとんどが柔らかいものですので、普段から便の状態や回数、量などをチェックしておき、それよりも回数や量が多い時は注意が必要かもしれません。

便の状態などが以下のような場合、お早めにご受診ください。

  • 通常より便の量が多い
  • 便が白濁している
  • 便に血が混じっている
  • 異臭がする

また下痢の他、お子さんが以下のような様子の場合、速やかに医療機関をご受診ください。

  • 発熱している
  • 何度も嘔吐をする
  • 元気がなく、ぐったりしている
  • 尿が半日以上、出ていない、あるいは尿の色が濃い
  • 水分を摂りたがらない
  • 口の中や唇が乾燥するなど脱水症状が見られる
  • 眠れずにうとうとしている

下痢の診療に当たっては、便の色や形状、回数、下痢以外の症状(発熱や嘔吐等)などを確認させていただきます。もしできれば、便の写真を撮影してくる、おむつを袋に入れて持ってくる、といったことをしていただけると、診断に役立ちます。他にはお腹の音を聴診器で聞いたり、触診で確認したりします。

お薬では、基本的に原因となっているものに対する処方をしていきます。お腹の動きを抑えて直接下痢を止める薬はなるべく使用しません。下痢は身体が病原体を排出させる目的で行っている症状でもあり、むやみに下痢止めを使用すると、病原体が長くお腹に留まってしまい、症状を悪化させてしまう場合があります。ただし、脱水症状には気をつけないといけませんので、注意しながら治療を行っていきます。

お子さんの「のどの痛み」

お子さんののどの痛みを引き起こす原因として、大きく、感染症によるものと、感染症によらないものに分けられます。感染症によるものとしては、風邪(急性上気道炎)、インフルエンザ、扁桃炎、溶連菌感染症、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)、手足口病、ヘルパンギーナなどがあります。

感染症によらないものとしては、アレルギーによるアナフィラキシー、異物(小さなおもちゃなど)の飲み込みなどがあります。これらの可能性がある場合、速やかに医療機関を受診しましょう。

手足口病やヘルパンギーナなどの感染症で口内炎ができたり、扁桃炎や溶連菌感染症で扁桃が腫れたりすると、ミルクを飲んだりものを食べたりするときに、しみたり痛みを覚え、不機嫌になり、飲食の量が減ってしまいます。そうなると脱水症状になる危険性もありますので、注意が必要です。

主な原因となる病気について

扁桃炎

喉の奥の“扁桃”にウイルスや細菌が感染し、炎症を起こします。食べ物や飲み物を飲み込むときに痛かったり、熱が出たり、体がだるい、食欲がないなどの症状が現れます。アゴのリンパ節が腫れる場合もあります。

溶連菌感染症

A群溶血性連鎖球菌という細菌が喉に感染し起こる病気です。38度以上の高熱が出て、喉の痛みに加え、体に小さな赤い発疹が出たり、舌にイチゴのようなブツブツができたり、嘔吐する、リンパ節が腫れるなどの症状が現れます。

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)

ムンプスというウイルスによる感染症で、唾液腺の腫れに加えて、喉の痛み、発熱が現れます。1週間程度で症状は収まりますが、髄膜炎や膵炎、精巣炎、卵巣炎、難聴などの合併症を起こすこともあるため注意が必要な病気です。

手足口病

手足口病は、原因となるいくつかのウイルスの感染が原因となり、手のひらや足の裏、口の中に小さな水ぶくれができる病気です。自然に治っていくことが多いものですが、口の中が痛くて食欲が落ちる場合がありますので、栄養不足にならないよう、ゼリーや豆腐など、のどを通りやすいものをあげるといいでしょう。

ヘルパンギーナ

エンテロウイルスというウイルスにより引き起こされる感染症で、発熱から1~2日たつとのどの痛みが強くなり、奥が赤く腫れ、水疱ができます。小さなお子さんでは、痛みによりものを食べるのが難しくなりますので、のどの通りの良いものをあげましょう。多くは2~4日程度で熱は下がり、口の中の水疱も消えていきます。

プール熱(アデノウイルス感染症)

アデノウイルスへの感染が原因の風邪のひとつで、のど全体が赤くなって強く痛み、扁桃腺に白っぽい膿が多くつくなどします。39度前後の高熱が3〜5日続き、その後次第に収まっていきます。プールでの感染が多くみられることから「プール熱」と呼ばれ、特に夏に感染が増加します。

上記の病気に関しては、細菌が原因となる場合は抗菌薬を処方する場合があります。その際は医師の指示に従い、しっかりと飲み切るようにしましょう。自己判断でやめてしまうと、合併症を起こし、重症になる可能性もあります。またウイルスが原因の場合は、特効薬はないことが多いので、なるべく栄養を取り、安静にするようにしましょう。

お子さんの「おなかの痛み」

お子さんの腹痛では、すぐに医療機関を受診したほうがよいもの、少し自宅で様子を見ても良いものがあります。

次のような場合は、速やかに医療機関を受診したほうが良いでしょう。

  • 我慢できないような腹痛が3~4時間以上続いている
  • 急にお腹が張って固くなっている
  • 便の中に血のようなものが混ざっている
  • 緑色や茶色のようなものを吐いている
  • 陰部や足の付け根あたりが腫れていて、激しく痛がっている
  • お腹を強くぶつけた
  • 右下腹部に強い痛みがある

緊急を要する病気として、以下のようなものがあります

腸重積

腸の口に近い方が、肛門に近い側の腸に引き込まれて、腸が2重に重なってしまう状態になる病気です。原因はよくわかっていません。腹痛、繰り返しの嘔吐、イチゴゼリーのような血便が症状の特徴ですが、3つの症状が揃わない場合もあります。まだよく自分の症状を話せない年齢のお子さんがかかることが多いため、足をまげてひざをかかえるようにして不機嫌に泣く、いつもと泣き方が違う、などということが数分~20分ごとに繰り返され、嘔吐や血便が見られたら、早急に医療機関をご受診ください。

急性虫垂炎

いわゆる“盲腸”と呼ばれるもので、よく盲腸はお腹の右下あたりが痛くなると言われますが、初期にはおへその周りなどから痛くなることがあり、嘔吐や下痢を伴う場合も多いため、急性胃腸炎と見分けがつきにくいこともあります。腹部エコーやCTで、虫垂の状態を検査し、急性虫垂炎と診断されれば手術で腫れた虫垂を切除したり、抗生剤の点滴で治療するなどします。手術が必要と判断した場合は、連携する病院にご紹介いたします。

腸閉塞

これは腸の内側が何らかの原因で詰まってしまう(閉塞)状態になる病気です。発症する頻度は高くありませんが、突然、我慢できないような腹痛が続き、腹部の張り、緑色や茶色のようなものを吐く、という症状が続くようなときは、腸閉塞が疑われますので、すぐに医療機関を受診しましょう。

同じ腹痛でも、自宅で様子を見ても良いものとしては、たとえば排便によって改善するような腹痛は、あまり緊急性は高くないと考えられます。慢性的に繰り返される腹痛の多くは便秘症が原因です。朝や食後の腹痛が数日間続いている、おへそのまわりがいたい、数日間便が出ていない、少し排便したら痛みが軽くなった、という場合は便秘症の可能性があります。ただし、症状が長く続いたり、悪化したりした場合は、受診を考えた方がよいでしょう。

シナジス

シナジスとは、RSウイルス感染症の予防を目的とした注射です。
早産で生まれたお子さんや、心臓疾患、呼吸器疾患、免疫不全、ダウン症などの基礎疾患があり感染に対する抵抗力の弱い方で、お医者さんからシナジス注射を勧められた方が対象です。
当クリニックでは、予約制でシナジス注射を行っています。

魚
魚
泡
泡

大岡山こどもアレルギークリニック clinic

クリニック名
医療法人社団 佳侑会
大岡山こどもアレルギークリニック
院長
山本 佳樹(やまもと よしき)
住 所
〒145-0062 大田区北千束3-25-15
最寄駅
東急電鉄「大岡山」駅より徒歩1分
電話番号
03-3720-2525